
2014年に日本プロ麻雀協会の13期生としてプロ入りを果たした瑞原明奈(みずはらあきな)さん。現在は最高位戦日本プロ麻雀協会に所属しながら、2019年にMリーグ・U-NEXT Piratesからドラフト指名を受け、以降、Mリーガーとしても活躍しています。
2人の子供を育てながら「戦うママ雀士」として活躍する瑞原さんは、1年目にいきなりMリーグの優勝を経験、3年目の2021-22シーズンでは個人MVPを獲得するなど、“気高き女海賊”の異名に相応しい結果を残しています。
インタビュー前編では、そんな瑞原さんがプロ雀士としてキャリアを踏み出した決断の背景、“働くママ雀士”として、どんなことがモチベーションになっているのか聞きました。
「自分もプロの土俵で戦ってみたい」という気持ちが大きくなった
瑞原さんが麻雀を打つようになったきっかけを教えてください。
20歳のときに麻雀と出会いました。当時、早稲田大学に通っていましたが、テレビをつけたら、CS放送でプロの麻雀対局が放送されていて、牌の音などに魅了されました。ただその頃はルールもわからなかったし、麻雀を打つ環境が私の周りにはなく、女ひとりで雀荘に行くことも当時は勇気がいることでした。
そんな中、たまに仲間内でセット麻雀を打つのが日常の楽しみになりました。あとは携帯でCPU相手に打ったり。ただ基本的には麻雀を見ることが好きだったので、ひたすらケーブルテレビの麻雀番組を見ていました。
ある日、私が見ていた麻雀番組に出演していたプロの方たちが、ネット配信で麻雀番組をやるということで、当時Twitter(現在はX)に「生徒役として麻雀が強くなりたい一般女性を募集します」という投稿が流れてきたんです。
そこに応募して以降、私はニコニコ生放送の番組に出演するようになりました。実際に麻雀プロと会って話したり一緒に麻雀を打ったり、講座を受けたりする中で、「自分もプロの土俵で戦ってみたい」という気持ちが大きくなり、プロ雀士としてチャレンジすることに至りました。
昔からスポーツのような、勝負事が好きだったのでしょうか。
スポーツで勝ち負けにこだわったことは一切なかったです。勉強はしていたけど、誰かに勝ちたいというわけではなかったですし、麻雀と出会うまで、勝ち負けを強く意識したことはありませんでした。自分としても常に勝ちを目指さなくてはいけない、プロの世界に身を投じたことは、意外でした。逆に言うと、 今までそういった機会が少なかったからこそ、勝負の世界に惹かれたのかもしれないです 。
麻雀というゲームを突き詰めて、骨の髄まで楽しみたい
瑞原さんは2人のお子さんを育てる“働くママ雀士”ですが、どんなことがモチベーションになっていますか?
私はプロになる前から麻雀に対するモチベーションはずっと変わっていません。とにかく麻雀が好きで、麻雀をもっともっと楽しみたいという思い、それだけです。そして 麻雀を楽しむためには、強くならなくてはいけません 。
強くなれば自分の引き出しが増えて、視野も広がる。結果、勝つことが増えます。それが一番の原動力です。麻雀というゲームを突き詰めて、骨の髄まで楽しみたいんです。
私の場合、人生においても“楽しみたい”という気持ちが一番の原動力というか、物事を考える上でベースになっています。
それこそ家族を作る、就職先を選ぶことも「楽しみたい」という気持ちから?
そうですね。生活を楽しむために家族を作りたかったですし、新卒で通信系の企業に就職したときも好きだった映画を軸に考えて、映画に携われる部署があるということで就職しました。 人生で何かを選択をするときは「どんな選択をしたら楽しく過ごせるか」を常に考えています 。中学生の頃からその考えはブレていないですね。
Mリーグは2025-26シーズンから10チームに拡大し、レギュラーシーズンは各チーム120試合となりました。忙しい毎日の中で、どのようにプライベートとのバランスを取っていますか?
実はそんなに忙しくなくて、私自身は仕事を入れすぎないように調整をさせてもらっています。家族、そして自分のためにもしっかりと休みの日を確保しています。
例えば「週2は必ず休む」とか?
もっと休んでいます。正直、私はそんなに働いていないんです(笑)。忙しいイメージは結構持たれるんですけど、週2程度しか働かないときもあります。
仕事とお休み、家にいる時間のバランスを保つことは気をつけていて、お仕事をお断りするという心苦しいときもあります。プロ雀士としての葛藤はあるんですけど、そうは言っても家族のことを考えると、全てを引き受けるわけにはいきません。“これは仕方がないこと”と自分の中で割り切りながら、バランスを見て、お仕事を引き受けるようにしています。

